PMI認定国際資格の保持者数(2025年5月Update)

Project Management Institute (PMI)®︎が認定している国際資格ですが、グローバル全体で増加傾向にあります。本記事では、2025年5月時点の最新情報をお伝えいたします。

別の記事でも投稿していますが、変化が激しい状況下でプロジェクトが増加しており、プロジェクトエコノミーの到来といわれています。このような背景もあり、プロジェクトマネージャーなどの専門職が引くて数多といっても過言ではなく、プロジェクトマネジメントの知識と経験を兼ね備える人材が求められております。そのスキルの裏付けとなる国際資格はPMP®︎(Project Management Professional)であり、PMP®︎を取得する方が増えております。

また、プロジェクトが複雑化する中、プロジェクト単体で成果を出すことが難しい場合など、複数のプロジェクトを束ねてシナジーを創出し戦略と整合した成果を創出する、プログラムマネジメントの手法がグローバルレベルで普及しており、上級PMとしてのプログラムマネージャーが活躍しております。その専門職資格であるPgMP®︎(Program Management Professional)の取得者もグローバルでは増加しております。

それに加え、企業組織の戦略を実現するために、戦略と整合したプロジェクトやプログラムを見極めて(取捨選択、優先順位付けを実施し)それらの活動に資源を投入して企業組織の経営に貢献する、プロジェクト・ポートフォリオマネジメントを取り入れるグローバル企業が増加しています。PMIが認定する国際専門職資格であるPfMP®︎(Portfolio Management Professional)が注目されています。

日本では、PMP®︎の取得者は年々増加しており、現在は50,163名のPMP®︎ホルダーがいらっしゃいます(2025年5月24日、PMI Certification Registryにて調査した結果)。ただ、日本におけるPgMP®︎やPfMP®︎は少しずつ増えていますが、海外各国に比べると非常に少ない状況です。

この辺りの実際のデータを調査しました。その結果を皆さんに共有させていただきます。

PMP®︎、PgMP®︎、PfMP®︎のグローバル全体の推移

グラフにまとめておりますので、ご参照ください。データソースは、PMI日本支部アニュアルレポート2022, 2023, 2024の掲載データです。(グラフをクリックすると拡大します)

それぞれの資格保持者数の年平均成長率(CAGR)を記載していますが、PMP®︎に比べて絶対数は少ないですが、PgMP®︎とPfMP®︎の成長率が高い状況となっています。

これは、プロジェクト単体でのプロジェクトマネジメントのアプローチから、複数のプロジェクトをまとめてマネジメントするアプローチが増えていることが背景にあると想定できます。プロジェクト単体でQCDの目標を達成することから、複数のプロジェクトをとりまとめて、企業組織の戦略と整合した目標を達成することが求められてきており、その専門職資格がグローバルレベルで増加しているといえます。

米国、アジアの主な国との比較

PMP®︎、PgMP®︎、PfMP®︎の保持者数について、米国および主なアジア各国と日本との比較をグラフにまとめております。PMI Certification Registryより独自調査(2025年5月24日)した結果です。

まずPMP®︎の数ですが、米国が多いのは当然ですが中国の数が米国を上回っております。この2カ国は数十万のレベルで突出してPMP®︎保持者が多い状況です。日本も年々増加しており、プロジェクトマネジメントの知識や経験豊富な方が増えており素晴らしい躍進だと感じております。

PgMP®︎およびPfMP®︎についても米国だけでなく、アジア各国でも保持者数が伸びております。特に中国とインド、サウジアラビアの勢いがスゴいです。(グラフをクリックすると拡大します)

見ていただいてわかる通り、日本はPMP®︎の数は多いですが、PgMP®︎とPfMP®︎は徐々に増えているものの、中国、インド、サウジアラビアの数には及ばず、UAE、オーストラリア、シンガポールに比べても少ない状況です。(サウジアラビアは、PMP®︎の数は日本と同じレベルですが、PgMP®︎は日本の10倍以上、PfMP®︎は20倍以上)

今後、日本においてもプロジェクト・ポートフォリオマネジメントやプログラムマネジメントのスキルを持った資格保持者が増加していくことを期待しております。

日本におけるPgMP®︎、PfMP®︎ホルダーを増加させるために

日本におけるPgMP®︎やPfMP®︎の数が他国に比較して少ないのはなぜでしょうか?

その要因分析はできておりませんが、プロジェクトマネジメントの世界標準であるPMBOK®︎は国内で普及しておりますが、プログラムマネジメントやプロジェクト・ポートフォリオマネジメントはあまり日本に普及していないことが一つの要因であると思っております。またPgMP®︎、PfMP®︎の申請や試験に関する言語は英語になりますので、日本人にとってハードルが高いということもあるかもしれません。ただ英語での受験といってもしっかりと準備すれば必ずパス出来ます。

日本企業も複雑で大規模なプロジェクトを、グローバルレベルや国内で多く実施している状況ですので、PMBOK®︎と同じようにプログラムマネジメントやプロジェクト・ポートフォリオマネジメントの世界標準の体系的なアプローチを用いていくことは有用であると考えております。

  • プログラムマネジメント、およびプロジェクト・ポートフォリオマネジメントを日本に普及させること
  • 日本における、PgMP®︎およびPfMP®︎の国際専門職資格保持者を増やしていくこと

この2つを実現していくために、P3Mオフィス®︎の情報配信サイトの立ち上げをはじめ、様々な活動を実施しております。

プロジェクト・ポートフォリオマネジメントやプログラムマネジメントに関する日本語の書籍は少ない状況です。日本における普及促進のため、2023年9月27日に『プロジェクト・ポートフォリマネジメントの教科書』(太陽出版)を出版しました。プロジェクト・ポートフォリオマネジメントをはじめ、プログラムマネジメントの概要、実践例、プロジェクトの目標設定、関連資格などを解説しておりますので、この機会に是非お読みいただければ幸いです。

プロジェクト・ポートフォリマネジメントの教科書(尾﨑能久 著)

また、PMI日本支部のポートフォリオ・プログラム研究会の活動(関連セミナーや、PgMP®︎ ,PfMP®︎資格説明会など)において講師をつとめるなどしております。PMI日本支部のポートフォリオマネジメントやプログラムマネジメントのセミナーは定期的に開催しておりますので、PMI日本支部のホームページhttps://www.pmi-japan.org/を是非チェックください。

以上、PMI認定国際資格 保持者数等の状況をお伝えしました。少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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