プロジェクトマネージャーがますます活躍する時代!
目次
プロジェクト数の増加
ここ数年、様々な世の中の変化が発生し、まさにVUCAの時代ですが、企業組織では変化に対応すべく、通常のオペレーションだけではなく、変化に追従・対応するための多くのアクションを起こしている状況、つまり多くのプロジェクトを立ち上げて実行している状況だと思います。
プロジェクトの数は増加しており、
企業組織においては、現場レベル、部門レベル、全社レベル、短期的、中長期的なもの、小規模プロジェクトから大規模プロジェクトまで、多くのプロジェクトがあると思います。
例えば、DX(デジタルトランスフォーメーション)、働き方改革、人材強化・組織改変、生産性向上、生産拠点統合、M&A、エコシステム確立、ソリューション開発、海外ビジネス確立、サプライチェイン改革、インフラ刷新、規制改革準拠、SDGs関連、その他
20年くらい前は、企業組織のリソースを、通常のオペレーション(定常業務)に約8割、一時的なプロジェクトに約2割を使っていると言われていましたが、最近ではプロジェクトにかけるリソースの方が多くなってきていると言われています。プロジェクトを実行することによってビジネスを維持・発展させていく、プロジェクト主体の企業活動、まさに「プロジェクトエコノミー」の到来です。
プロジェクト型組織への変革
元PMI(Project Management Institute)チェアマンの、Antonio-Nieto Rodriguezさんが、昨年2021年10月に「Project Management Handbook」を出版され、その中でプロジェクト型組織への変革について述べられています。
この本の第1章のタイトルは、
“Projects Everywhere”
“From a World Driven by Efficiency to a World Driven by Change”
これまで、プロジェクトというと、オペレーション(通常業務)の改善・効率化のためのものが多く、オペレーションの延長線上にあり、企業の組織も、COO(Chief Operating Officer)がトップにいて各部門を中心に売上・利益を獲得してきたと思いますが、
今後は、変化に対応しなければ企業は生き残れず、プロジェクトを継続的に実施しプロジェクトが主体、組織もプロジェクト型組織に変革し、CPO(Chief Project Officer)がリードするという考えです。
要約すると、次のような内容です。
最近、私とSNSでつながっている海外の方にも、CPO(Chief Project Officer)の肩書きを持つ経営層の方が実際にいて、既にプロジェクト型の組織に変わってきていると感じています。
また、プロジェクト型の組織におけるPMのキャリアパスとして
Project Manager → Program Manager → Portfolio Manager → CPO(Chief Project Officer)があり、プロジェクトマネジメントを軸足とする方々がますます活躍する時代が来たということを実感しています。
経営理論「両利きの経営」に思うこと
少し視点を変えて、最近話題になっている経営理論についてですが、皆さんも読まれた方が多いと思いますが、「両利きの経営」がベストセラーになっています。
著者は、Charles A.O’Reilly(スタンフォード大学経営大学院教授)とMichael L. Tushman(ハーバードビジネススクール教授)で、監訳・解説は入山章栄(早稲田大学大学院ビジネススクール教授)がされています。
入山先生は、この「両利きの経営」の第一人者で私もご講演を何度か拝聴させて頂きましたが、既存の事業の深化と、新規事業の探索の両立を実施していく経営理論です。
この内容は「プロジェクトエコノミーの到来」ということとまさに関連していると思います。「両利きの経営」を実践すること、つまり企業は、事業ポートフォリオマネジメントを取り入れ、既存事業に加え、新規事業の模索・立ち上げを日々追求する。このためには多くのプロジェクトを立ち上げて実行していく。
言い換えると、既存事業の深掘りはもとより、新規事業の立ち上げには、プロジェクトマネジメントが必須であり、事業ポートフォリオ管理を実践していくためには、まさにポートフォリオ、プログラム、プロジェクトマネジメントが必須であると思う次第です。
まとめ
「プロジェクトエコノミーの到来」について紹介させて頂きました。
皆さん、日本でも「プロジェクトエコノミー」が既に到来していると感じる局面はありますでしょうか?
皆さんが所属されている企業・組織はどのような状況でしょうか?
・プロジェクトの数が急増している
・既存事業に加え、新規事業の取り組みを実施している(両利き)
・プロジェクトマネージャーは忙しく、ひくて数多である
・オペレーション(定常業務)よりもプロジェクトが重要になりつつある
などの状況であれば、プロジェクトを主とした「プロジェクト型の組織」に変革するタイミングかもしれません。
以上、最後までお読み頂きありがとうございました。