PMIのホームページに、PgMPの複数選択試験のサンプル問題があることをご存知でしょうか。PgMP®︎資格の取得を考えられている方は、是非チェックしてみてください。
このサンプル問題は、答えだけが記載されておりその解説がありませんので、私の方で解説してみました。
本解説は、あくまでも私の個人的な見解です。細かな点で皆さんと解釈が異なることがあるかと思いますが、その旨ご了承・ご容赦のうえご覧ください。
【サンプル問題】出典:PgMP Sample Test Questions. PMIホームページより
サンプル問題の冒頭に上記のようにシナリオの記載があります。実際の問題でも、このようなシナリオが問題文の前半部分に記載があります。シナリオを理解した上で、質問に答えるケースが多いです。
このサンプル問題では、前半のシナリオの文章と、以下1. 2.の質問文が分かれていますが、実際の問題では分かれておらず、シナリオの後に質問が記載されていることがほとんどです。
まず、この問題は、プログラムのチェンジや、ガバナンス、役割などに関する知識を問われており、全般に渡った知識が問われている問題という印象です。
プログラムAが中止され、その配下の二つのプロジェクト(プログラムBのベネフィット実現に影響するプロジェクト)を継続しプログラムBの配下とする(プログラムBのコンポーネントにする)ことが決まった。その二つのプロジェクトの進捗が50%、70%で、ただそれらのプロジェクトが使用しているツールやメソッドが異なるといった内容です。
このシナリオですが、日本では、プロジェクト(プログラム)が途中で中止することはあまり無いかもしれませんが、欧米で普及しているプログラムマネジメントでは、状況変化に応じて(外部環境や内部環境の変化等)途中で取りやめて、プログラムのコンポーネント(プロジェクト)を組み替えることもあり、その点を理解しておくことが第一で、これは非常に良いサンプル問題だといえます。
1. の質問は、プログラムBのプログラムマネジャーがとる最善のオプションは何か?ですが、答える際のポイントは、シナリオにあるプログラムのベネフィットを実現するために二つのプロジェクトを配下に入れたということでしょうか。
Aは、プログラムBの標準を教育するといった内容ですが、標準を合わせることが目的ではありませんので、最善のオプションではないと判断できます。
Bも、Aと同じで最短時間・簡単な方法でプログラム要件に準拠させるといった内容なので、この選択肢でも無いと判断できます。
Cは、プログラムAで実施していた既存の方法をプロジェクト期間中は継続するとあり、それがベストなやり方かは疑問が残りますので、この選択肢でもないとわかります。
Dは、一貫性(既存の方法継続)から得られるゲインを判断して、最良の結果を決定とあり、その結果をステアリングコミティーに報告するとあるので、プログラムのベネフィット実現を考慮した良い内容だといえます。
以上より、Dが選択肢の中では最善だといえます。
2. の質問は、二つのプロジェクトをプログラムBに組み込むにあたって実施する最初のステップは何か?ですが、
Aは、二人のプロジェクトマネジャーにプロジェクトの状況確認、プログラムAのコンポーネント(プロジェクト)開始基準、リソースの影響を評価し、プログラムBへの変更要求を準備するとあるので、ガバナンスの手順も考慮しており、この選択肢は正しいのではと想定できます。(他の選択肢と比較して判断)
Bは、プロジェクトチームと会って状況確認というところに疑問があります(プロジェクトマネジャーではない)。またプログラムマネジャーが最初に実施すべきことはプログラム周りのことで、プロジェクト憲章作成に関わること等ではないと考え、この選択肢は違うと考えます。
Cは、プログラムステアリングコミティはプログラムの変更等をデシジョンする場であり、最初のステップとして、ステコミを召集してディスカッションすることでは無いと考えます。
Dは、エグゼクティブスポンサーと会って、意見を聞くことが最初のステップでは無いというのは明白です。
以上より、Aが最も適切な選択肢だといえます。
ここにあるサンプル問題のような内容だけではなく、実際の問題では、もう少し問題文が短めのものや、もっと長いもの、計算問題などもあります。
4時間以内で170問を解きますので、おおよそ1分20秒/問のペースとなります。よって問題文(英語)を素早く読んで内容を理解し答える必要がありますので、英語の問題に慣れておく必要があります。
実際に受験される方は、別の記事でご紹介しておりますが、問題集を何度も繰り返し解くなどして準備することが欠かせません。
日本におけるPgMP®︎資格保持者は、33名(20204年9月30日時点、PMI Certification Registryの調査結果より)と世界主要各国に比べ非常に少ない状況より、ご興味のある方は、是非チャレンジしていただければ嬉しい限りです。
残念ながら、PgMP®︎について日本語で解説している情報はほとんどなく、唯一、PMI日本支部のポートフォリオ・プログラム研究会が配信している動画や、開催しているセミナー、資格説明会などのみです。私もこの研究会に所属しており、微力ながらこれらの活動に参加しております。
今後も、PgMP®︎試験問題の解説などをお伝えしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。