上級PMの国際資格PgMPの複数選択式試験の対策
世界最大のプロジェクトマネジメント協会(Project Management Institute)が認定する、PgMP®︎資格(Program Management Professional)の試験問題対策についてご紹介します。
「これなら私も資格取得できそうだ。是非チャレンジしたい!」と思って頂ければ嬉しいです。
(注)本記事は、2024年2月以前の対策内容を記載しております。2024年3月からPgMP資格試験の対象が「The Standard for Program Management – 5th Edition」になり、今後問題集などが改訂される可能性がありますのでご注意ください。
目次
PgMP®︎資格について
PgMP®︎資格については、別の記事で投稿しておりますので、ご参照頂ければと思います。
簡潔にいうと、以下の3つの関門をパスすれば、PgMP®︎資格ホルダーです!
次の①、②、③をパスする必要があります。
①申請書を提出しPMIに受理される
PMIが申請書に記載したプログラム経験をチェックし問題なければパス
②パネルレビュー
PMIが、申請書に記載のプログラムの5つの領域における経験を審査し、
問題なければパス
③複数選択式試験
170問/4時間のテストを受ける。一定以上基準(非公開)の正答で合格
この記事では③の複数選択式試験の対策について記載しております。
PgMP®︎資格試験対策
・複数選択試験の準備期間
試験問題の対策には、当然受験される方のこれまでの知識や経験により異なりますが、最低約3ヶ月から6ヶ月くらいは必要かと思います。
勉強することとしては、主に以下の3つです。
1) プログラムマネジメント標準(英語版)の熟読・理解
The Standard For Program Management Fourth Edition
(注)2024年3月から、Fifth Editionが試験対象となっています
2) ECOの熟読・理解
PgMP®︎ Examination Content Outline
3) 複数の問題集を解く(問題集の正答率が80%以上になるまで繰り返し解く)
私の場合は、約3ヶ月集中して取り組みました。
1), 2)を1ヶ月ほどの間、繰り返し読み、
3)は、1),2)と並行して約3ヶ月の間、6種類の問題集に取り組みました。
・複数選択式試験の出題範囲
出題範囲は、プログラムマネジメントの5つの領域から出題され、その出題比率は以下の通りです。
・Strategic Program Management 15%
・Program Life Cycle 44%
・Benefits Management 11%
・Stakeholder Management 16%
・Governance 14%
・複数選択試験問題の例
Question (Sample): あくまでも参考です(2024年2月以前のサンプル問題)
You have been assigned as the program manager to manage the release of a new application software within the next year. The company is betting a lot on this program because it has been failing its last few programs and is currently facing hard times keeping up with the fast-growing market.
You have finally reached the closing phase and are working on transitioning the program to operational entities for sustainment. During which phase, the components transition requests are prepared?
a. Delivery phase
b. Closure phase
c. Planning phase
d. Transition phase
こんな感じの問題を170問(4時間)で解いていきます。1問、1分20秒くらいで解くペースです。
この例は、若干問題文が長めですが、実際の問題はもう少し問題文が短めの問題もあります。
この問題の正解は「a」で、プログラム標準を理解していれば解けます。
問題は、プログラムを通常のオペレーションへ移行するプログラムのクロージングに入るタイミングの場合を想定したものですが、プログラム傘下のコンポーネント(プロジェクト)移行のリクエストをどのフェーズで実施するかを問うもので、正解はプログラムのDeliveryフェーズで実施します。
The Standard For Program Management Fourth Edition 7.1.3 (Page 95)参照
・複数選択試験の問題集
実際に私が実施した問題集をご紹介します。
6種類の問題集を約3ヶ月かけて、何度も繰り返しました。
同じ問題集を正答率80%以上になるまで繰り返し、少なくともそれぞれ3周は実施しました。
これらの問題集は、日本のアマゾン(Amazon.JP)やUSのアマゾン(Amazon.com)で入手出来るものと、ベンダーのホームページから直接購入するものがあります。金額は為替の影響で前後しますが、ここに記載している金額は2022年4月頃の価格になります。
追記:上記の本のリンクを以下に貼っておきますので、ご自身で価格や内容をご確認ください。
(注)2024年3月から、Fifth Editionが試験対象となっており、これらの問題もFifth Editionに対応するなど今後改訂される可能性があります。
・A sensible Guide to PROGRAM MANAGEMENT (TE Wu)
・PgMP® Exam Test Preparation (Ginger Levin)
実試験の感想
私は、実際の試験を2022年8月1日に、Pearson VUEの新宿のテストセンターで受験しました。以下、感想です。
- プログラム標準、ECOを頭に入れておく(暗記する)だけで解ける直接的な問題は多くはなく、これらの知識が前提でプログラムマネジャーとして判断を求められるような問題が多かった印象です。
- 問題文の多くは、冒頭にシナリオ(ケース)が記載されていて、問題文の後半に質問が記載されている場合が多い印象です。
- 実際には英語ですが、日本語で表現すると次のような問題です。「あなたは、最近XYZ社に入社。XYZ社では○○を導入するプログラムを実施しており、そのプログラムマネジャーが退社し、その後任としてあなたがプログラムマネジャーに任命された。あなたはプログラムの・・・・の途中で多くのリスクを発見した。まず最初にあなたが実施するべきことは何?」
- 問題集を多く解いたことで、ペース配分はそれなりにうまくいき(75秒/問くらいのペース)、途中トイレに行きましたが、15分を残し全問を解き終えることが出来ました。ただ、正解が曖昧な問題を30問ほどマークしておいたのですが、疲れ切って結局、見直すことはせずに試験を終えました。(4時間、英語の問題に集中するには体調管理が必須と痛感)
- 約6割くらいの出来?という感触でしたが、結果は「合格」でした。結果は終了後に、即画面にPassと表示されました。
- テスト終了後にレポートがメールで届きましたが、結果は合格ギリギリの” Target”でした。ちなみに、”Target”, “Above Target”が合格。”Needs Improvement”, “Below Target”が不合格。(170問の内、20問は採点されません。どの問題かは不明。また合格に必要な正答率は非公表です。)
是非チャレンジください
以上ですが、日本国内のPgMP®︎資格ホルダーは少しずつ増えているものの未だ25名です。(2023年8月現在)
グローバル組織等でプログラムやプロジェクトを実施されている方や今後予定されている方、外資系業に転職を考えておられるPM(PMP®︎ホルダー)の方など、
「PgMP®︎資格を持っていれば、様々な面で効力を発揮すること間違いない」と私は思います。
この記事を読んで頂いたことを機に、「ぜひ資格取得にチャレンジしてみたい」という方が少しでも増えることを望んでおります!
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
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